昨年7月の参院選・広島選挙区をめぐり、公職選挙法違反(加重買収など)の罪に問われた元法相で衆院議員・河井克行被告(57)の公判が26日、東京地裁であった。現金を受け取ったとされる地元議員の証人尋問が克行議員の裁判では初めて行われ、「買収のお金だと思った」と証言。妻で参院議員・案里被告(47)の票をとりまとめる趣旨だったという認識を示した。
出廷したのは今田良治(りょうじ)・広島市議(73)。証言によると、克行議員は昨年3月に今田氏の後援会事務所を訪れ、「これを」と言って現金30万円入りの封筒を差し出した。克行議員は同年6月にもやって来て、「参院選に案里が出る。応援してもらうのは難しいでしょうね」と発言。自民党現職の別の候補を支援する今田氏が応援を断ると、20万円入りの封筒を差し出した。今田氏は「1票も手伝うことはできん」と受け取らず、前回の封筒も返そうとしたが、克行議員は「まあまあ」と言って二つの封筒を置いて帰ったという。
今田氏は、それまでに克行議員から現金を受け取ったことはなく、2回とも「参院選の応援要請だと思った」と振り返った。
夫妻の公判は8月に一緒に始まったが、克行議員が9月に弁護人を解任したため分離された。克行議員の公判はいったん中断し、11月初めに再開していた。(新屋絵理、松島研人)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル